歯周治療はチームアプローチであり、歯科医師と歯科衛生士とが密に連携をとり、同じゴールを目指しながらそれぞれの視点で治療を行うことが重要だと考えています。
特に重度歯周病の症例においては包括的なアプローチなくして治療の成功はあり得ません。
初診時に規格性のある基礎資料を採取し、歯科医師の診断の元、歯科衛生士と共に治療計画を立案します。治療計画に基づき歯科医師、歯科衛生士はそれぞれの役割を果たし、効率よく治療を進めていきます。
最初のステップである歯周基本治療においては、担当歯科衛生士のスキルの高いSRPが要求されますし、患者さんのモチベーションを高め、維持していく「人間力」も重要になります。
一方で歯科医師は歯牙単位での基本的な治療を行いながら、歯周基本治療の結果を評価し、当初の治療計画を微調整しながら、様々な治療オプションを駆使しゴールに繋がる確定的な処置を行います。
今回の講演では、医院における歯周治療システムの構築をどのように行なっていくのかを含め、重度歯周病患者の長期症例を供覧させて頂き、私達が何をどう考えて治療してきたかを歯科医師の視点、歯科衛生士の視点、それぞれでお話しさせて頂ければと思います。
稚拙な症例ばかりで恐縮ですが、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。